昔みた夢

2019年6月20日

ふと思い出したのだけど、子どもの頃に、よく空を飛ぶ夢をみた。

空を飛ぶといっても、普段から人間は飛べないという潜在意識が働いてか、飛び始めのそれはぎこちないものであり、スキップのようにして助走をつけながら手をばたつかせて少しずつ飛距離をのばしていくという不細工な飛び方だった。

なんとしてでも飛びたがっている私は、ある時にみた夢では小学校の体育館の二階部分から宙を舞う作戦に出ていた。これもまた、思いっきり両手をばたつかせながら、その勢いを借りて飛ぼうというものだった。まるで子どものころテレビでよくみた鳥人間コンテストのように。

これが、シリーズのように何度も何度も同じシチュエーションで、結構滞空時間も長く高くいつでも飛ぼうと思えば飛べたので、夢の中の私はいつでも得意げにその技を使っていた。

本当に、高く飛ぶものだから、普段観覧車など高いところから下界に広がる景色をみると足がすくむ感覚があるのに、この時だけは、決してそんな感覚はなく、もっともっと上へもっともっと高くと念じれば念じるだけその通りになり、満足だった。

飛べるのは本当に気持ちがよくて、現実でもあのスキップのような助走から飛べるようなそんな錯覚に陥ることがよくあった。着地する時も足にダメージを与えず、体操選手の着地のようにしっかりと地に足を着けられるあの感覚も忘れられない。

そういえば、車の免許をとるきっかけとなったのも、夢の中で車をとても気持ちよく運転する自分がいて、どうしても車に乗りたくなったからだったなぁ。

結局、大人になるまでの間何回も空を飛ぶ夢をみて来た。こんなにシリーズのように見れた夢はこの空を飛ぶ夢だけ。また見ることがあるのだろうかと多少期待もしたけど、おそらく大人になってからはみなくなっている。

子どもの頃、この空を飛ぶ夢の話を友達や家族にした時に男の子になりたかった女の子によく見る夢だと聞いたことがあった。あの頃の自分は男兄弟の中で育ったこともあり、多少そのような願望もあっただけに割と信じていたが、実際のところどうなのだろう。