買ってから出番が少ない靴を久しぶりで履く機会があった時のこと…。
かなり前の話なのだが、ある行事で久しぶりに靴箱から靴を取り出した。
一応着ていく服に合わせた。
その日は飲酒の機会もあった。夜にふと、自分の履いている靴が変貌(!)していることに気が付いた。
きちんとどの靴を履こうか考えて手にとったはずのその靴が!!
なんと表面の皮がポロポロと剥がれ落ち、白い靴にまだら模様が出来上がっていたのだ。
こうなってしまった靴を、酔いが回った皆が気が付きませんように!!と、ただただ、祈るだけだった。
もし気がついていても、見てないふりをしてくれていたのかも知れないし、話題に上らなかったからといって決して喜べる感じでもなかった。
本当に恥ずかしい出来事だった。
夫もこれに似たことがあった。
夫はフォーマルの靴を履き、葬儀場へと向かった。夫の歩くところ歩くところ、謎の黒い物体が出現する。
その黒い物体とは、傷んだ靴のかかとがもろくなってちぎれたものだった。
この連絡を受けた私は、あわてて別の靴を持って行くこととなった。
この後、商業施設や電車、やはり葬儀場でも同じような黒い物体を見かけることがあった。
その度、周りの人達はこの黒い物体を気味悪がってあからさまに避けて通っている。
私たち夫婦は、アレ(靴のかかと)やなぁと苦笑いするしかなかった。
【一丘之貉】いっきゅうのかく … 同じ丘にすむむじな。似たようなもののたとえ。同類のものをけなしていう語。多く悪者に対していう。「貉」はむじな。
漢検四字熟語辞典【第一版】より