小学生だったあの頃は、何故なんだ?って思っていたこと。それは一体どういうことなのか!!…そう、自分自身も病気になったことで気付いたことがあった。
どうやら当時クラスメイトであった男の子が“腎臓の病気”にかかってしまったらしい、それも確実に数ヶ月単位でお休みしなければならなかったこと、病院で病気と闘いながら勉強を頑張っているのだという情報を担任の先生からは、得ていた。
まず、血尿が出ているっていう説明を受けた時は、それが本当に“厄介な病気であるらしい”と自分なりに理解した。そして殆どの子が“血”と聞いて、その深刻さを感じ取っていたにちがいないのだ。
それまで、少しでもその子の励ましになればとクラスのみんなで手紙を書いたりした。また、その子のお母さんからはお礼と近況のおたよりがあったりした。進級時にはもう戻ってこれるのかなと期待し、必ずその子のことを思い出していた。
私の記憶では2年間くらいはその子に会えていなかったように思えるのだけど、その子が再びみんなと机を並べて勉強が出来るんだ、正式にカムバックできるんだということを知って心から喜んだ。
ついに久しぶりでの対面の日が訪れた。
それが、それが、…なのだ。
そこにいたのは私の知らない◯◯君だったんだ。
いや、そんなはずはない。
何で?
誰が見たって顔がむくんだように見えるよね?
しばらく病院にいたからそうなっちゃっただけかな?またすぐ元に戻るよね?
当然これは私の心の中の声。本人に言った言葉ではない。
お顔のことであり大変失礼な話なのだが、小学生だった私には十分なほどに衝撃を受けた瞬間であった。
その後のこと、
私も今は少しマシになってはいるが、18,9歳の頃腎臓病治療のため、多量の薬を服用した。その副作用で顔が一時パンパンに膨れたのである。ああ、これか!◯◯君の顔貌をあんなにまで変えてしまったのは…と、知ることとなった。
突きつけられた悲しい現実…。
それでも、根気を養いながらなんとか闘いぬきました。
即入院となったこの時は、熱感のある足の甲に湿布をしてもらいながらの身体の保温と安静でした。
当時入院していた先の病院の栄養士さんとの相談で、塩分の話をした。
私はまるで食中毒問題かのように塩分摂取は家族みんな同じなはず、なぜ自分だけが病気になるのかよくわかっていなかった。家族で同じものを食べていても、身体に必要なものがそれぞれ違っていて当然なのだと、この時に初めて知った。
今もこの時に買った減塩の料理本を懐しんでは、ページをめくる時がある。
【一水盈盈】いっすいえいえい⇨盈盈一水(えいえいいっすい) … 水満ちわたる一筋の川。互いに心ひかれながら、相見たり言葉を交わしたりできないたとえ。「盈盈」は水が満ち溢れるさま。一説に端麗な女性をたとえた語ともいう。
補説 … 「盈盈一水の間」の略。
漢検四字熟語辞典【第一版】より