前に入院したときの部屋の人は、本当のよくおしゃべりをする人たちだった。
そのおしゃべりの内容というのは、90%以上が食に関すること。
その中の一つに団子汁というキーワードが何回か出て来た。
主に部屋の人2人がマシンガントークを繰り広げるのだけど、この団子汁話の第一弾には参加しなかった。
まず団子汁など作って食べたことがないのだから…。
この部屋の人2人は歳も2つしか離れていないし、ほぼ同世代だからとても話が合うようだった。
(転倒した際骨折したたため)手もうまく使えないけれど、さあ家に帰ったら何を作ろうかしらねえ。
気が付くと、何故か団子汁の話第何弾目かが登場していた。
そこに、入れる野菜が列挙された。だいたい、味の想像はつく。
そして、会話に参加している時にもまたまた団子汁の話が出た。
あなたも作って食べてみて!なんてすすめられても食べたことがない。
一度ほうとうという山梨県の郷土料理で小麦粉を練って作ったうどんにも似たものをお土産でいただいたことがあった。
そこには、丁寧に作り方が書かれたしおりが入っていて、書かれた通りに作るとまあまあ美味しかった。
私の中ではこれ(野菜のたくさん入ったおうどんっていうイメージ)に似たものが団子汁なのではと思って過ごしてきた。
自分でも本当に作るとは思っていなかったけれど、ついに団子汁に挑戦することになった。
まず、料理レシピをネット検索し、ヒットした中から何となく自分の作りたいと思ったレシピで作ることにした。
見てみると、殆どお味噌汁かすまし汁に好みの野菜を入れている感じだった。
問題はそこに入れる団子だ。
団子のレシピを3つ書き出した。
小麦粉練ったものだと、きっと冷えると固くなってしまうなと感じてたから、白玉粉を使ったレシピ(候補①)を採用することにした。
倍量で作り、ひとつまみの塩も加えた。
候補① 白玉粉… 30g 薄力粉30g 水…40㏄くらい
候補② 小麦粉… 70g 水… 40㏄前後 塩…ひとつまみ
候補③ 小麦粉… 100g 水… 50~60㏄(加減して)
結局、家にある野菜(白菜、人参、もやし、じゃがいも、たまねぎ、白ネギ)を使ってお味噌汁を作る容量で仕上げ、候補①の材料の粉に少しずつ水を加えてひとまとめにし、クッキングぺ―パーに包み30分寝かしたものを小さくちぎって、手で薄く延ばして入れた。
味は、団子を入れるとさらに美味しく感じられた。
作る時にじゃがいもを入れると、翌日に悪くなってしまうかも!と思った。続行したらやはり翌日はすぐにダメになっていた。汗をかきかき美味しくいただいたが、あらためて夏場には向いていない料理だよなと思った。
【越鳥南枝】えっちょうなんし … 故郷が懐かしく忘れがたいこと。「越鳥」は南方の越の地で生まれた鳥のこと、「南枝」は南の枝(に巣を作る)の意。
補説 … 「越鳥は南枝に巣くう」の略。
漢検四字熟語辞典【第一版】より