「1,111円でございます。」
支払い準備の間、じっと待った。
「何かいいことありそうな額ですよね、エンジェルナンバーで。」
「あっそう、そう。私も思ってたんです。こんなところにだけ…アハハ、運を使い果たしちゃって。」
その女性は嬉しそうにそう言った。
レジをしていて4桁揃うことはザラにあるけど、一昨日は何か話しかけてみようって気になった。
些細なことにも喜べて、幸せな気持ちになって帰ってもらえることはとても嬉しい。
それに、この日はちょっと嬉しいことがあった。
レジさばきをみたお客さんが、「速いねーッ!ものすごく手際がいいわ。失礼だけど、何年やってるの?」
と訊ねてこられた。
「いいえ、いいえ。」と謙遜しながら答えた。
話口調から、前にも話しかけてこられた方だとわかった。
こんな風に思ってくださるお客さんもいるので、一層頑張っていこうという気持ちになれる。
腹痛なんかになっている場合じゃない、今日も頑張ってこよう。
【右顧左眄】うこさべん … 右を見たり左を見たりためらい迷うこと。情勢を気にして決断できないこと。もと、ゆったりと余裕のあることをたとえた語。「顧」は見回す、気にかける意。「眄」は横目でちらちら見ること。
補説 … 「左眄右顧」「左顧右眄」ともいう。
漢検四字熟語辞典【第一版】より