大腿骨骨頭回転骨切術を受けた私は、加重を徐々にかけていく訓練を重ね、ついには退院することになり、杖を使っての通院をした。一ヶ月半の入院期間を要した。
しばらく病院貸し出しの松葉杖も使っていましたが、20代前半で茶色の陰気くさい杖をつくのにはやっぱり抵抗があった。それでも、その時はそうするしかなかたのですが…。
術後3年以内に一旦切断した骨を固定するためのボルトを取り除くことを主治医が勧めていた。私の場合、おそらく3年という期間を過ぎてからだったように思う。
大腿骨回転骨切術の際に入れた、固定するための3本のボルト。これを取り除くオペは、部分麻酔で行なわれた。
目を閉じてはいますが、当然ながらオペ中の会話、音、全部聞こえてくる。
私の場合、ボルトがなかなか取れにくかったようで、執刀医のため息、工事現場のようなカンカンという叩きつけるような音が交互に聞こえてきて、オペが難航しているのがまるわかりでした。
最後の一本がとれたらしいのが分かると、ホッと胸をなで下ろした。
記念に持って帰ったこのボルトは、8㎝くらいあり骨の一部と思われる白っぽいものが付着していました。ずーっと残しておいたのですが、4年ほど前のリフォームの時に夫と相談し、かなり迷った末、捨ててしまいました。
まあ残していたとして、写真をアップするのに迷いもありそうですけどね…。
(大腿骨のオペ、つづく)
わずらわしい病気のことなど忘れてしまいたい、忘れてしまおうとどこか頭のほうで指令が出るらしく、過去の病気の詳細が私の記憶からどんどん抹消されかかっている。
私のブログでは、過去の出来事について記憶の断片をかき集めて綴っているため、細部についての誤りはわかり次第、即訂正させていただこうと思っています。以前にも書きましたが、30年同じ病名、疾患で通った病院で、自分の全てのカルテが揃っていないことに愕然としました。
これまで、自分としても細部について記録に残すことをしてこなかったのは多少後悔の念もあります。
【一狐之腋】いっこのえき … 貴重なもののたとえ。一匹のきつねの脇の下からわずかしか取れない白くて美しい毛皮の意。また、希少なという意から直言の士のたとえ。「腋」はわき、ここでは脇の下の白くて美しい毛皮。
漢検四字熟語辞典【第一版】より