出たーっ!
ゴ・キ・ブ・リ~!!
と、一瞬思った。
トイレのドアを開けたその直後、黒っぽいものがスーッと滑るように移動したのが見えた。
大声を出しそうになる時もあれば、冷静に見ていられる、そんな時もある。
今回は、冷静にそれを見ていられた。
白っぽい床の上に、さっきまで自分の髪の毛についていたヘアゴムが、髪を縛っている時の形のままポロッと転がるように落ちただけだった。
家中の壁が白っぽい感じになっているので、黒いもの、黒っぽい虫なんかがいるとすごく目立つ。蚊でさえよくわかり、今はあまりよりつかなくて本当に助かっている。
家の中にゴキブリが出たら負けだ!くらいに思っているのでゴキブリでなくてホッとした。
こんなことはヘアゴムの伸び具合によって、あるいは髪をすいてもらった後、毛束が小さくになったりした時なんかによく起こっていた。
髪の毛を束ねるゴムは、少し寒いなと思ったら手首にはめていることも多い。
この手首にはめているはずのゴムも、時たま行方不明になることがある。
それは、服の脱着の時が考えられる。
仕事中は基本的に髪を束ねるようにしているけど、仕事に入る直前にこのゴムがないことに気が付き、焦ったこともある。
予備のヘアゴムとヘアピンは欠かせない。
仕事の時はもちろんのこと、食事の準備や洗顔、風呂の時なんかもあるはずのゴムがないとイライラする。
かといって、ベリーショートにする気もないので常にこのゴムの行方不明を恐れている。
これは、私くらいなものなのだろうか?疑問だ。
【雲散鳥没】うんさんちょうぼつ … あとかたもなく消えてなくなること。雲のように散り鳥のように没する、の意から転じた。
漢検四字熟語辞典【第一版】より