クシャ、クシャ。
これは、レシートを丸める音。
レジで会計を終えても、なかなか帰ろうとしないお客さんが来ていたことがあった。
最近は来なくなりとっても助かっているが、数年前に何回か勤務するスーパーに現れていた。
次に待っていたお客さんも固まっていて、じっとそのお客がレジ前から離れるのを待っていた。
こちらが訊ねることには一切答えず、じーっと空をにらんでいる。
この時だけじゃない。たまたまだということではないのだ。
こんなおかしなことをするお客は注意が必要なので、顔を覚えていなければ!と思い覚えていた。
まぁそんなに努力しなくても結構インパクトがあるから、覚えやすい人ではあった。
来店した際、質問に一切答えず必ず無言(まあこんなことは、他のお客でもよくある)、敢えて視線をはずす、ゆっくりとお金をだす、そして、最後に手渡されたレシートをスローモーションでクシャクシャにしてその手を止める、その場にレシートをポトッと落とす、空をにらんだまま5秒くらい立ち尽くす。…以上だ。
謎の恐怖心を植え付けるかのよう。
心の中では(はよ、帰れ!)顔はにこやかに「ありがとうございます。」そして、そそくさと知らないふりで何事もなかったように次のお客さんに「いらっしゃいませ~。」とお声がけ。
こんな感じだった。
あのお客さん、来なくなって本当に嬉しい。
【雲散霧消】うんさんむしょう … 雲が散り消え霧が消えなくなるように、跡形もなく消えてなくなること。
補説 … 「雲消霧散」ともいう。
漢検四字熟語辞典【第一版】より