勤務しているスーパーでの接客中、お客さんの財布から出した100円玉がレジスター台付近に勢いよく転がり落ちた。
とっさに、これは私が落としたものではないけど何としてでも探し出して渡すべきだ‼と、「もういいですよ。」と言ってくれるお客さんをよそに、片方の膝を床につけ、台の下などをくまなく探した。
レジ待ちのお客さんは、大概(これは、時間がかかるなぁ。)と思ったら他のレジに自主的に移動してくださるので、わざわざお声がけをしなかった。
何とかお客さんの出された100円玉を見つけ出して、「100円、ありました~!」と、ちょっとテンション高めで起き上がり、お客さんに手渡した。
自分の感覚ではこれがもう1分以上いや、それ以上に思えた。実際はもっと短くあってほしいのだが…。
そのお客さんは、「ありがとうございました。」と、丁寧なあいさつを言って喜んで帰っていかれた。
価値観なんて人それぞれだけどこのお金は、店のでも、また私個人のお金でもないものだから放置するのはやっぱり気持ちのいいものではない。この後もレジ業務は何時間も続くのだ。
ハーッ、渡せてよかったぜ全くよ~ッ♪
一件落着。
そして、次のお客さんにお待ちいただいたお詫びをしていると、この状況をしっかりと把握されていたようで、そのお客さんは、「こんなとき、レジの方は本当に大変ですね~。」と励ましてくださった。
いや、もう何分くらい経ったかわからないほど待っていただいたっていうのに…だ!
本来なら、他のレジにおまわりいただくよう促すべきだったかもしれません。
2~30代前半くらいのその方は、終始笑顔で本当に素敵な女性でした。
よいお客さんに恵まれ、今後も一層頑張っていこうと思える出来事でした。
ありがとうございました。
【一飯千金】いっぱんせんきん … わずかな恵みに対しても十分な恩返しをすること。一度受けた食事の恵みには、千金の恩があるという意。
故事 … 貧しかった韓信が、ある洗濯屋の老婆から数十日の食事を与えられた。のちに、出世した韓信は、かつて食事をさせてくれた老婆を呼んで千金を与えたという故事から。
漢検四字熟語辞典【第一版】より