足をずっと目で追う人の目を追った

今更ながら、この夏場においてとても着る服に困ってしまっている自分に気づく。

特に、ボトムスについては何を着てもいいってものでない。

これは、脚(下腿)の潰瘍痕がなければ,ほとんど気にすることもないはずだ。

夏だから少しでも涼しく過ごせるものを…。そう思うので、若いころは家でだったら短パンで過ごすこともあった。

今は、荷物の受け取りの一瞬でもとてもこんな格好じゃ失礼すぎるかな?なんて思う。

かといって、Gパンでは暑い。

それでも、最近出かけるときにはGパンに落ち着いている。

フワッとかつ、サラッとした生地のボトムスは丈も短めで、潰瘍部分の隠したいところは全部見えてしまう。

以前に(と、いっても10年近く経つかな)商業施設へとつながる渡り廊下を歩いていた時のこと、私は視力がいいので何メートルも前にいる女性が私の足だけをジーっと見つめながら歩いているのにすぐ気が付いた。

その女性は、私の足をずっと目で追い、私はその女性の視線の先が私の足に向いているのをずっと目で追っていた。

結局その女性は、すれ違うまでの何十秒間ずっと私の足以外のものを見ることはなかった。

表情一つ変えずにどういう気持ちで見つめていたのだろうと、インタビューしてみたいくらいだった。

今はその下腿潰瘍部分も少しはきれいになった。

しかし、次々にカルシウム片など異物がみつかり膿を持ち、たびたび足にケガを負ったりして生傷が絶えなかったから、色素の沈着がひどい。

小さな異物を取り除くというこの地味な作業を、今も皮膚科の先生は繰り返し行ってくださっている。

ミドルエイジのファッションは常々難しいものだと思ってはいるが、今年は明るめストッキングでごまかす気はあまりない。

四字熟語のコーナー

【潁水隠士】えいすいのいんし … 尭帝ぎょうていのとき、潁水のほとりにいた隠者の許由きょゆうのこと。尭帝がすぐれた人物として天子の位を譲ろうとしたが、これを聞いた許由は汚れた話を聞いたといって、潁水の水で耳を洗ったという故事がある。「潁水」は中国河南省北部に発し安徽あんき淮河わいがにそそぐ川の名。

漢検四字熟語辞典【第一版】より