はーっ!?何でここに、おじいさんが入ってくんねん!!口には出さなかったが、病棟の決められた女性の入浴日の浴室で事件は起きた。
これは、私がまだ20歳前で約30年前の入院中のエピソードだ。
当時はこのように入浴する日を曜日で決められていて、その当日は女性の入る曜日で、一人ずつ入るスタイルだった。看護師から今は空いているからということで入るよう促されて入った。
一通り、身体を洗い終え浴槽に入っていると、なんと、なんと、なんとおじいさんが入ってきたではないか!!しかも、堂々と!!
後で考えれば、この浴室それほど大きくもなくたとえ女性同士でも誰かが入っていたら他のものは当然遠慮するはず…。
しかも、浴室に入った時に人がいたら普通は驚いてすぐ出て行かないまでも、それなりに驚いた声を上げていてもおかしくない。
それが、このおじいさんは私がいるのをわかっても、全く動じなかったのだ。
このような恐ろしい場面に遭遇した時に、声が出ず、とにかくこの場から一刻も早く脱することだけを考えた。
見るなよ~!と祈りながら即座に浴室を飛び出た。
当時若かった私は、もうこの男性を責めるということもせず、後から看護師さんにしっかりチクっていた。
この男性は曜日を間違えたのだろうと、その時私も思ったし、看護師さんの話でもそのように結論づけていたけれど、今考えると確信犯だったのでは?と思ったりもする。
仕返しらしいことはしっかりした。
この時置いてあった、男性の着替えに塗れた髪の毛の水気を絞ってかけた(-_-;)
今考えるとこんな程度では生ぬるいと思えるのだが、若かった私は遠慮がちであり、ちょっとかわいそうな気もするけどまあ裸を見られたのだから当然の報いか…と思って実行した。
今の私だったら、間違いなくその着替えが着れなくなるほど、ビチョビチョに濡らして差し上げているわ。
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【一目十行】いちもくじゅうぎょう … 書物を読むことが速いことのたとえ。ただ一目見ただけで即座に十行の文字を読み取ることができる意。
漢検四字熟語辞典【第一版】より